技術の日産、世界の日産、人とクルマのあすを目指す日産、もう走り始めています２１世紀へ、人間の優しさをクルマに。数々の「うん、なぁるほど。やるね日産」と思わせるキャッチコピーを生んできた我らが日産、ここ数年、ゴーンが自分だけ「もっと楽しく感じるままに」経営をしてきたものだから、ほつれが大きな穴になってしまった。私はこれをまさしく「ゴーン・ホール」とでも表現しようか（温暖化のオゾンホールもじり）。
　皆さんは元旦の新聞をご覧になったでしょ、日本の自動車メーカー３社が全紙広告を載せていました。世界のトヨタは「自身たっぷり」の横綱広告。ホンダははっきりと「環境路線」の具体的指針の広告。そして日産は、何が言いたいのかまだ目標が定まってはいないけれど「頑張る」姿勢だけ強調している広告。私のようなものでも日産の迷いが見えてくる。昨年末２０１０グリーンプログラムを発表したのは良いのだが、即座にゴーンは「そのすべてを達成することがどうなのか」的なコメントを言うている。まさにちぐはぐを世に示しているではないか。
私は世界のことはよく分からない。しかし国内販売は私もグループ末端の関係者だ（金魚の糞ですが）。ならば今年の日産を想像してみよう。これはあくまでも私の見解なので、関係者の皆さんもご意見はいくらでも頂戴しますが、どうぞそれで処分をしたろなどと言うようなことはお辞め下さい（過去に例がある）。
　今年は昨年以上に厳しい年になるでしょう。まずこの１９日発売のAD/ADエキスパートは販売最盛期前のグッドタイミングにもかかわらずパットしないと思う。これってフロントマスクなんてまるで不評のウイングロードそのまんま。ゴーンのイエスマンと知る人ぞ知る商用車担当の外国人役員の決定したモデルだ。まずこれでつまづくで。ちょっと期待なのは新型オッティとスズキさんからのこれもまた新型軽四、そしてモコは今年も頑張るかな。私も売りやすいし、お客様の軽四の商談は早いし楽だ。勘違いしないで下さいよ。楽ってのは軽く見ているのではない。軽四にシフトしているニーズに合致していることと、軽四は車種が多すぎて、お客様は「どれにしようかな」状態だから、田舎ではとりあえず長年の信用で決めてくださるお客様が多いということです。
　それから1000ccクラスも激戦区だ。これははっきり言うて価格競争がさらに激化か。多分限定仕様車だけではシェアーは伸び悩む。年度末のノルマに責められ、販社は赤字覚悟の値引き合戦に突入するだろう。多少のマイナーなど焼け石に水状態だ。ただこれは全メーカー同じですがね。
その上ですか、これはもう日産の出る幕は無いに等しい。いくらメーカーがどやこやってコマーシャルしてもトヨタやホンダには太刀打ちできまいだろう。日産ファンの乗り換え需要しか見込み薄です。とに角ハイブリッドが皆無というのがやはり、メーカーブランドの致命的欠落だ。今年はさらに鮮明に現れると思う。私のマイミクの大先輩の情報ですと、車齢（新車から廃車になるまで）が昨年満１１年を超えたとか。ならばよけいに厳しい。
そしてディーゼル車。これもベンツが日本国内にディーゼルを投入したっていうても、まだまだ普及は難しい。しかしトヨタは草々といすゞと提携、ホンダはご存知ディーゼルエンジンは持っている（車以外）。すぐにでも自動車用のグリーンディーゼルは可能だろう。しかし需要があるとすれば商用車、では景気が良くなったならばバネットやキャラバンのそれが期待できるか。他社比較でも日産のディーゼルは負けてはいないが、何せＯＥＭだったり（納期が遅すぎ）、大きさの不具合（４ナンバー枠内）などで他社にやられている。
SUVクラスのエクストレイルも健闘しているとはいえ絶対数が年間に大幅に望めるものではない。新型の投入もあるらしいが、世間の主流はスモールカー、どの車もいっしょじゃんという時代に、日産の4番打者は不在だ。1番から3番のそれでも塁に出る「軽四３兄弟」の活躍を期待するだけなのだ。
「０７回の表、日産自動車の攻撃は４番、センター、スカイラインGT-R」　話題だけが先行する一年かも。
日産の温暖化は止まらない。急速に進む温暖化は、それ以上に回復は厳しいのだ。それは地球よりもかもしれない。それでも私は日産温暖化防止活動推進員、今年も逆風でも頑張るっきゃ無いのよね。